看護師が患者さんとコミュニケーションを取るときは、安心して話してもらえるように位置の取り方には気をつけましょう。話し方や相槌の打ち方なども大切ですが、非言語分野にも配慮が必要です。適切な位置に立ち、患者さんとうまくコミュニケーションを取っていきましょう。患者さんに話を聞くときに、直接目線が合うことなくリラックスした状態で話をすすめられるのは、斜め45度や90度の位置です。ほかにも患者さんと話をするときに取る位置として考えられるのは、真横と正面があります。
相手の真横で話を聞くのも、確かに親密度を高める方法のひとつです。しかし、これでは患者さんの表情が見えにくくなってしまいます。患者さんによっては、位置が近くなるために不快に感じる方もいるかもしれません。正面の位置は、親しい間柄でないと圧迫感や緊張感をあたえてしまう可能性もあります。正面は真剣な話をするときや指示、命令をあたえるときに用いられることが多い位置だからです。ところが、斜め45度や90度は目線が直接会うことがありません。このため、緊張感を和らげることができます。医師が診察の際に、患者さんの45度や90度の位置に座っているのを思い浮かべれば理解しやすいでしょう。この位置なら相手の表情や態度も観察しやすいという、看護師さんにとってのメリットもあります。表情や態度を見ながら話をしていくと、患者さんの本心も把握しやすくなるでしょう。
患者さんに対しての位置取りも大切ですが、距離感にも気を配りましょう。相手との距離が近いのを嫌がる患者さんもいます。必要以上に近い距離から話しかけるのは避けたいものです。